りそな銀行は服装自由化「スタートアップと取引増えてきた」
南波雅俊キャスター:
戦略的に服装自由化を進めている企業もあります。
りそな銀行は11月1日から全従業員3万人が服装を自由化しました。これまでは会社のルールとして、男性はスーツ・ネクタイ。女性はスカートの丈は膝が隠れるくらい、というものがあったそうです。
では、なぜ自由化したのか。担当者は、「社内での反対意見もあったが、お堅い・まじめなイメージからの脱却が目的」ということで、これまで取引していた企業だけではなく、いわゆるスタートアップのような企業とも取引が増えてきた。そういう方に対しては、同じような格好で行った方がコミュニケーションが円滑になるのでは?という狙いもあるそうなんです。
服装自由化してから約20日経って社内の反応は、窓口業務は「すぐにカジュアルに振り切るのは難しい」。法人営業は「得意先に合わせて服装を変えることで会話が増えた」というような声が、社内から出ているそうです。

そして、アメリカの議会上院の議場では、ある男性議員が「スーツの着用などが慣例化されてるのはおかしいのではないか」というふうに訴えました。9月18日には「服装の自由」を認める通達もありました。ただ、撤回を求める抗議声明が出る事態に。その後、「服装の自由」が撤回で、スーツ着用が「ルールとして」決まったというわけなんですね。やっぱり国のトップの人たちには、礼儀が必要だということで、その礼儀には服装なども大事になってくるというふうに言っていました。

井上キャスター:
やってみるっていうのはいいと思いますけどね。あと、自由だからこそ本当は責任が伴うし、難しいと思うんですよね。「自由にやってください」、「じゃあ何やってもいいんだ、不潔でいいんだ」、「いやそうではない」。
服装自由だといちいち“個別説明” 就活生も約9割が服装自由だと困る
若新さん:
(りそな銀行が)法人営業で会話が増えたってことにも、繋がると思うんですけど、人と違う髪型や服装をすれば、個別説明を求められると思うんですよ。ある意味、みんなと同じ格好をしていくっていうのは、都度、個別の説明をしなくても、「この人って、こういう格好してるから、こういう人」って説明を省ける楽さはあった。でも一方で、「なんでわざわざその格好なんですか?」「なんでわざわざそういうスタイルなんですか?」ってあえて疑問を持つわけだから、この疑問に都度答えるのが面倒くさいっていう人は、安易にやるとずれが生じると僕は思う。就職活動もそうだと思うんですよ。「なんでわざわざその服装なの?」ってことに個別に回答する気持ちでいられるか。
南波キャスター:
就職活動に関しても、面接で「服装は自由ですよ」と言われても困るよなっていう声が、88.8%と9割近くある。就活生からは「自己紹介動画を提出した際、自分だけ私服で驚いた」「会社から(服装を)試されている感覚があった」「どうせなら指定してほしい」という様々な声がありました。

若新さん:
僕たちは今まで学校生活の中で「あなた個人はどういうつもりなの?」って個別の説明を求められずに済んでいた。まとまりで僕らは認識されてきた中から、個別の自分を、時間かけて、ときには誤解を乗り越えながら、相手に伝える覚悟を持てるかどうかだと思いますけどね。“多様性の社会”っていうのは。
井上キャスター:
ルールを決めていた方が企業側も楽ですからね。
若新さん:
個別調整いらないですから。
 
   
  













