74年に及ぶ上場企業の歴史に幕を下ろします。東芝は臨時の株主総会を開き、来月に上場が廃止されることが決まりました。
迷走を続けた名門企業が大きな節目を迎えました。
きょう、臨時の株主総会を開いた東芝。株式の非上場化に向けた議案を諮り、承認されました。東芝株は来月20日に上場廃止となり、74年にわたる上場に幕を閉じます。
株主
「ついにこの日が来たかと。(上場廃止は)やむを得ないと思います」
「(上場廃止は)寂しいといえば寂しいですね」
1875年に創業した東芝。電気洗濯機や電気冷蔵庫などを日本で初めて開発し、高度経済成長を牽引してきました。また、“財界総理”と呼ばれる経団連会長を2人輩出した名門企業です。
その東芝が迷走を始めたのが2015年の不正会計問題でした。
東芝 田中久雄社長(当時)
「心よりお詫びを申し上げます」
その後、業績が悪化し、頼ったのがいわゆる「モノ言う株主」です。ただ、「モノ言う株主」からは短期的な利益の還元を求められて対立し、経営の混乱を招きました。
東芝 綱川智社長(当時)
「ベストを尽くして、それ以上のことは出来なかった」
結局、「モノ言う株主」と決別し、日本の投資ファンドを中心とした国内連合に株主を一本化することを決定。上場廃止の道を選びました。
株主
「技術力は世界に冠たるものというのは変わらないと思う」
短期的な利益の追求から解放され、再建を目指しますが、課題もあります。すでに、医療機器や半導体メモリーといった“稼ぎ頭”の事業は手放し、残った事業の多くは成長性に疑問符がつきます。
目先の利益にとらわれず、中長期の視点で東芝が新たな成長軌道を描けるのか。国際的な競争力の低下が指摘される日本企業にとっても、試金石となります。
注目の記事
背中に傷が…「命を失わなくてよかった」クマに背後から襲われた女性 ”その瞬間”の出来事を記者に語る(山形・飯豊町)

健康志向で急増! 姿勢も体幹も整う「マシンピラティス」 SNS発信で人気拡大

「あの日までのお母さんも死んだ」“たった15分の横着”が奪った夫と日常 1枚800kgの鉄板落下事故 被害者家族が訴え「被害者にも加害者にもさせないために」


乳房再建は “形” でなく “生き方” 取り戻す治療…富山大学で進む乳房再建の最前線

祖母を殺された小学4年生は今・・・「事件が私の人生を変えた」 山口県連続殺人放火事件から12年 被害者遺族が事件を振り返る

ドリフト?公園を暴走し荒らしたのは白のRV車 今も公園は痛々しいまま…一時の快楽で逮捕された男の行為 泥には証拠となるタイヤの痕 町は損害賠償請求も視野(山形・山辺町)
