11月6日に事業を停止していた新潟市西区の『やま義』について、新潟地裁が10日に破産手続きの開始を決定しました。
負債は、銀行などの債権者56名に対しておよそ1億3717万円だということです。

民間の信用調査会社・帝国データバンク新潟支店によりますと、『やま義』は1948年に創業し1976年に法人改組した漬物製造業者です。
創業当初は地元産大根を使って食品工場向けに“たくあん”の原料を製造する「一次加工」を主体としていましたが、後に観光土産品・ホテル・旅館・外食産業・食品スーパーに向けた「漬物製造」に切り替え、1996年1月期には年売上高およそ7億1600万円を計上していたということです。

ところが漬物需要の低迷で売上高の減少傾向が続き、加えて2020年春以降は新型コロナウイルスの感染拡大が鮮明となるなかで、観光土産品や業務用の受注が大きく減少していました。

2022年1月期には年売上高がおよそ9200万円まで低下しましたが、いわゆるゼロゼロ融資などの利用やウイルス禍からの社会経済活動回復基調をうけて、2023年1月期の年売上高はおよそ9600万円にまで改善しています。

しかし原材料価格やエネルギーコストの高騰などを背景に、3期連続の赤字を多額に計上。厳しい資金繰りが続くなか、従業員も高齢化し人手が不足するとともに設備の老朽化への対応もできず、事業継続を断念したとみられています。