放射線被害を伝え続ける頭髪が抜けた姉弟の姿

うつろな目でカメラを見つめるのは、池本アイ子さん(被爆当時 9歳)と弟の徹さん(同 7歳)です。頭髪が抜けた2人のきょうだいの姿は、放射線の被害を訴えるものとして、広く知られています。
1945年8月6日、2人は、爆心地から1キロの屋内で被爆しました。このときは幸い大きなけがをすることはありませんでした。しかし、数日後、2人の体に異変が起こります。
1994年にRCCの取材に応じた、2人の母、池本タメ子さんは、当時をこう振り返っていました。

池本タメ子さん(1994年 証言)
「(被爆してから)4~5日して髪が抜け出した。あまりに抜けるから、お父さんが『抜けるだけ抜け』って言ったら全部、なくなった」
歯ぐきからの出血や発熱も…。放射線による急性障害でした。