◆厳しい指導は“過去のもの”背景には少子化による教習生の減少が

自動車学校で指導員から厳しく叱られるというのは、すでに過去の話。変化の背景には、少子化が大きく関係しているようです。文部科学省の統計によりますと2013年に123万人だった18歳人口は、2023年には、110万人にまで減りました。10年後の2033年には、97万人にまで減少すると予測されています。さらに、若者の車離れが進んでいるという現状も。生徒に通いたいと思ってもらえる雰囲気を作り、少しでも多くの生徒を獲得したい。それは自動車学校にとって死活問題となっています。
◆ほめて伸ばす指導方法の是非~“事故防止”に効果も

では、ほめる指導で果たして正しい運転技術が身につくのでしょうか?自動車学校のトップは、厳しい指導が必ずしも有効ではないと考えています。
南福岡自動車学校 山田康之 社長「教習所で厳しく怒られた、だからちゃんと安全運転しようと考える生徒もいると思うんですけど、先生がほめてくれた、親身になって教えてくれた、だから先生のためにも安全運転を続けようと考えてくれる生徒も多いと思う。そういう生徒は、まわりの車とか歩行者、隣に乗っている同乗者への思いやりを持てるようになるのではないかと思います」
また、この指導法が事故防止にも効果があることを示すデータもあります。福岡県警の統計によりますと2019年から2021年の間にこの自動車学校で運転免許を取得した人が、免許取得後1年間に人身事故を起こした割合は、県内の平均値を大きく下回っているということです。