田舎暮らしをしてみたいけど不安…という人を後押しする取り組みをJR西日本が企画しました。その名も『おためし暮らし』です。都市部で働く人に対して、勤務先への通勤代などをサポートして、1か月~10か月の期間限定で田舎暮らしを体験してもらうというものです。この企画に参加した男性の1か月を取材しました。

「JR西日本」が企画した『おためし暮らし』

 今年5月、引っ越し作業に追われる斯波淳二さん(52)。

 (斯波淳二さん)
 「ギター2本とアンプと。あとは必要最低限の布団とか、それくらいだけで」
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 趣味のギターと身の回りの品だけを車に乗せて1か月限定の田舎暮らしを始めます。地方に暮らしながら大阪で働けるのかも試すつもりです。

 (斯波淳二さん)
 「まずは今の会社にちゃんと通えるかどうかというのを確認して、ほんとに気楽にお試しという形で考えています」

 車で新たな生活拠点に向かいました。
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 『おためし暮らし』を企画したJR西日本は、新型コロナウイルスの影響で2年連続の赤字に。さらにテレワークの普及などで通勤スタイルは元に戻らないとみて、少々遠くても週に何度か都心に通う新たな需要を模索しています。

 (JR西日本 長谷川一明社長 今年5月)
 「いろんな価値観というのが芽生えていて、そういったことに対する新しい移動の需要というのも当然あるわけなので。お客さま一人ひとりに私たち自身がアクセスをしていく必要がある」
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 さて、斯波さんが到着したのは京都府南丹市。JR園部駅から徒歩20分ほどの家で『おためし暮らし』です。大阪の職場までは自宅のある兵庫県川西市からと比べて直線距離で2倍以上になります。6畳のリビングに6畳の寝室、キッチンなどがついて1か月の家賃は3万円。JRが用意した異なるエリアや期間、複数のおためしプランの中から選びました。

 (斯波淳二さん)
 「ここで1か月。カーペットをどう敷いたらええかな、縦にしようか…。じゃあこんな感じでとりあえず」
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 斯波さんが『おためし暮らし』の中でもう一つやってみたいことが、近所にあるイベントも行えるカフェ「UZUMAKI CAFE」での音楽ライブ。ギター好きでCDを自主制作したほどです。
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 『おためし暮らし』1日目。斯波さんが新生活の門出を祝って1曲披露してくれました。

 (斯波淳二さん)
 「すてきな毎日を僕らずっとずっとずっと過ごすべき~♪ ありがとうございました。いい秘密基地が誕生しました。今日ここに」