伝統の技法が受け継がれています。コクのある甘さが人気の黒砂糖をつくる作業が高知県黒潮町で始まりました。

午前3時半過ぎ、黒潮町入野の加工施設で行われているのは、サトウキビの皮を剥いで汁を搾る作業です。サトウキビ生産者らでつくる「入野砂糖研究会」のメンバーが、本格的な黒砂糖づくりを前に試し炊きを行いました。

搾ったサトウキビの汁は伝統的な技法に沿って3つの釜に移しながら炊いていきます。1つ目と2つ目の釜はバーナーの強い火力で一気に煮詰め、3つ目は薪を燃やし火力を細かく調節します。火を入れてから4時間ほどが経ち“とろみ”が出てきたところで、今度は煮詰めの行程です。

棒で跳ねあげた時、白っぽい膜がチョウのように舞うと仕上がりの目安で、この瞬間を逃さず黄金色の液を“ひしゃく”ですくい桶に移します。

(入野砂糖研究会 酒井貢 会長)
「最初口にした時にど~んと甘さがきて、嫌みなしにすっと消えていくという特徴に仕上げています」

最後にペースト状の液を箱に流し込み、固まると完成です。黒砂糖づくりは18日から本格的に行い、12月下旬まで続けられます。完成した黒砂糖や加工品は取引がある道の駅や量販店のほか、インターネットでも販売されます。