ロシアの独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」の女性記者殺害事件で懲役20年の刑で服役していた元内務省職員がウクライナ侵攻に参加し、恩赦を受けていたことがわかりました。

ロシア紙RBCなどは14日、2006年に起きたノーバヤ・ガゼータの記者アンナ・ポリトコフスカヤ氏の殺害事件で実行犯グループを組織したとして懲役20年の判決を受け、服役していた元内務省職員が去年、ウクライナ侵攻に受刑者として参加し、その後恩赦を受けたと報じました。

弁護士によりますと、元内務省職員は現在、ロシア国防省と契約して侵攻に加わっているということです。

ポリトコフスカヤ氏は事件当時、チェチェン紛争をめぐる人権侵害を告発し、プーチン政権を追及していました。

ノーバヤ・ガゼータは表現の自由を守る活動が評価され、おととし、編集長がノーベル平和賞を受賞しましたが、侵攻後は当局の圧力が強まり活動停止に追い込まれています。

ウクライナ侵攻が続く中、ロシアでは殺人などの重罪に関わった者の恩赦が続いていて、批判が高まる可能性もあります。