「こんな私をここまで育ててくれたことを心から感謝しています。母ちゃん、ごめんなさい。親不孝な娘を許してください。これからも今まで以上に心配をかけるかもしれません。それでも許してください。これからも体に十分気を付けて、長生きしてください。素直な心をいつまでも持ち続けたいと思っています。今、『母ちゃん、ありがとう』と心から思っています」

曽我さんがこの作文を書いたすぐあとの1978年8月、母・ミヨシさんと一緒に買い物に出かけた帰り道、2人は北朝鮮に拉致されました。当時、曽我ひとみさんは19歳、母・ミヨシさんは45歳でした。

曽我さんが2002年に帰国して今年で21年。北朝鮮で「日本にいる」と聞かされていたミヨシさんは、もう45年もの間、行方が分からないままです。

11日の県民集会で、曽我さんは最後に、母・ミヨシさんに向かってこう呼びかけました。

「来月92歳になる母ちゃん、とにかく元気でいてください。そして絶対に諦めずに待っていてください。もう一度、親孝行をさせてください」