DeNAの今永昇太(30)が13日、横浜市内で会見しポスティングシステム(入札制度)でのメジャーリーグ挑戦を表明。黒のスーツ姿に水色のネクタイで登場した今永は冒頭「私、今永昇太はポスティングシステムを利用してMLBに挑戦することを報告いたします」と力強く決意を語った。

かねてより球団にメジャーへの思いを伝えていた今永が夢への一歩を踏み出した。メジャーへの思いが膨らんだのは2017年。「日本代表を経験して国際大会の楽しさだったりとかしんどさだったりとかを経験していくにつれて、だんだんとアメリカの野球はどういう野球なのかという思いが出てきた」。

挑戦に際し、澤村拓一(ロッテ)らメジャー経験者に相談。同期入団の戸柱恭孝らチームメイトからは「その権利が少しでもあるなら挑戦しないよりは挑戦したあとに何か見えるものがあるんじゃないか」と、背中を押されたという。

30歳での新たな挑戦となる今永。チームを選ぶうえで重要視するのは「今、自分自身これからもっと自分のポテンシャルを信じて自分の可能性が無限大に広がると思えるチームが最適」だと話す。

「やったことのないものに対して自信を持つタイプではないので、正直不安はあります。野球以外で生活面とか」と気持ちを吐露。それでも「アメリカのMLBを目指す子供たちが、球場に僕のユニホームを来て足を運んでくれる。それが一番初めの目標。もちろん凄い成績を残して、優勝だったりだとか、いろんな記録も達成したいという気持ちはありますがやはり、まずむこう(アメリカ)に認められなければいけないので、いつかそういう選手になれるようにっていう気持ちはあります」と夢を語る。

「いつまで経っても野球が好きですし、努力を努力と思わずに突き進んでいきたい」と今永。「バッターとしては大谷選手と日本時代に対戦したことがないので、ホームラン王も獲得していますし、そういう選手と対戦したい」という。

入団から8年間、支えてくれたファンへ「どこにいたとしても、僕という人間は変わらないので、その変わらない自分を信じてくれる人たちに恩返しできるように一生懸命プレーしているところを見てもらいたい」とファンへの思いを語った。

今永は今季、7勝4敗、防御率2.80、投球回数は148、奪三振は178で最多奪三振のタイトルを獲得。10月15日のクライマックスファーストステージでは6回途中2失点。メジャー6球団のスカウトが視察に訪れる中での登板となった。2022年6月の日本ハム戦では、札幌ドームで初のノーヒットノーランを達成している。

侍ジャパンでは初代表の2017年、アジアプロ野球チャンピオンシップでは予選の台湾戦に登板し、6回12奪三振の好投。2019年もプレミア12の代表に選出。さらに2023年のWBC(ワールドベースボールクラシック)では第2先発としてフル回転。決勝のアメリカ戦に先発するなど3試合に登板し、6回7奪三振と国際大会での経験も豊富。メジャーのボールにも対応していた。

ポスティングが発表されると早くもアメリカメディアが反応し、ニューヨークの放送局では昨季、千賀滉大(30)を獲得したメッツが興味を示していると報じた。

DeNAは過去に筒香嘉智がポスティングでのメジャー挑戦をしている。

■今永昇太(いまなが しょうた)
1993年9月1日生まれ。福岡県出身。北筑高 ~駒沢大。178cm、86kg。2015年ドラフト1位でDeNAに入団。2017年には初の二桁勝利となる11勝、2019年には自身最多の13勝を挙げている。2022年6月は日本ハム戦で史上85人目となるノーヒットノーランを達成。侍ジャパンとして出場した2023年WBCでは決勝で先発するなど日本の優勝に貢献した。通算成績は64勝50敗、1021奪三振、防御率3.18。