■“幻の金アジ”なぜ格安で?

続いては、JR総武線の大久保駅から歩いて1分のアジ専門店「釣りあじ食堂」。こちらのお店で出しているアジを求め、全国からお客さんがやってくる理由は・・・
沖縄から来店の女性
「とにかくアジが美味しい」
群馬から来店の男性
「後味が違いますね」
新潟から来店の男性
「金アジ求めて食べに来ました」
聞きなれない名前ですが、“金アジ”とは一体?
釣りあじ食堂 神山克也さん
「東京湾の特徴的なアジで金色に輝いている。もともとはマアジです」東京湾に生息し、黄金色が美しい通称“金アジ”。通常のアジと比べて“金アジ”は回遊しないため、身は筋肉質にならずより脂がのっているのが特徴です。“金アジ”の脂のうま味をたっぷり薬味で引き出したなめろうは、ご飯がすすむ人気の一品。
そんな幻のアジ。特に皆さんが注文していたのは、「金あじフライ」1枚400円。金アジは1kgで約2500円で取引されることもある絶品のアジ。それが1枚400円とは、いかにお得なのかが分かります。とはいえ、濃厚な脂が楽しめる金アジ。生でいただく方が存分に楽しめそうですが、なぜアジフライが人気なのでしょうか?
釣りあじ食堂 神山さん
「やっぱり金アジはアジフライが1番だと思います。脂がのっているので、火に入れても結構ふわっとした感じに仕上がるので」
ふわっとした歯ごたえはこれまで食べたことのない優しい食感。お店特性のタルタルソースと絡めることで、幻の味のうまみをさらに引き出すんだそう。
女性
「中の魚がすごいふわふわで、今まで食べた中で1番おいしい」
中には自己流の楽しみ方をする方も。常連客の男性は、まずは隅っこの方にからしをつけて、さらにその上に醤油を。
常連客の男性
「(からしの)香りがでるじゃないですか。アジフライのポテンシャルがあるので最高です」
醤油×からし以外にも通な楽しみ方があるようで、四隅に醤油、ソース、タルタル、からしを組み合わせていました。
それにしてもなぜ、幻の金アジをお手頃に提供できるのかというと・・・実はお店で出している金アジは、全てご主人が東京湾で自ら釣ってきたもの。
実際に釣り上げたアジの数でお店の営業日数を決定するのが店主のスタイル。食材のロスが出なくなるため、その分リーズナブルにできるのです。この日は、順調に金アジをつり続けて合計110匹をゲット。110匹で2日間ほど営業ができますが、不漁が続けば、臨時休業せざるを得ない日も。それも幻のアジといわれる理由の一つ。釣りあじ食堂 神山さん
「いつも釣れるわけではなく釣れない日もあって、アジのありがたみもわかる」
こうした努力の積み重ねで幻のアジがお得に。物価高騰が続いていますが、値上げは考えていないそうです。
釣りあじ食堂 神山さん
「アジを高級にしたくないんで(お客さんに)いっぱい来てもらって、売り上げキープすればいいかなと思う」
値上げの波に負けない絶品海鮮のお店。そこには魚にかける熱い思いがありました。