エンゼルスからFAとなった大谷翔平(29)の獲得に熱心と思われていたメッツとヤンキースが争奪戦に参戦しない可能性が濃厚となった。現在、アリゾナ州スコッツデールでGMミーティングが行われており、現地記者はドジャース、ジャイアンツ、マリナーズが積極的に獲得に動くと予想。エンゼルス残留の可能性も含め、争奪レースの“フロントランナー”として4チームが挙げられた。
ヤンキースを15年担当するニューズデイ紙のエリック・ボーランド記者は「今のロースター構成では大谷がロースターに入る場所がない。彼らにはスタントンというDHがいて彼はトレード拒否条項を持っている。ヤンキースのロースターには大谷の居場所はない」と説明。
ニューヨークで野球記者歴28年を誇るコラムニスト、ニューズデイ紙のデービッド・レノン記者はメッツの現状について「メッツは切実に先発投手を必要としている。そして残念なことに大谷は右肘の故障のために2024年には投げられない。だから大谷がメッツに移籍することは難しい。大谷は彼らの最優先事項には含まれていない」と語った。
さらに「(どこが獲得すると思うか?)そう言っているのは私だけではないと思うが、ドジャースが大谷を獲得する最有力候補だろう。彼らはこの1年でたくさんのお金を貯めた。大谷の資金を蓄えているのだと思う。彼らは投手も必要としているが、大谷の左打ちも獲得を望んでいる」と資金力なども踏まえドジャースが有力と話した。
そのドジャースのブランドン・ゴームズGMはGM会議で「(大谷)は良い野球選手だ。彼はフリーエージェントだから我々が話せることは多くない」と話すに留めた。獲得への自信を聞かれ「(FA)選手に興味を持つチームはたくさんある。我々は他の球団と一緒でそこにいるだけ」と静かに闘志を燃やした。
スポーツ専門メディア『The Athletic』でジャイアンツ担当のアンドリュー・バッギャーリー記者は、「ジャイアンツは打線にさらなるパワーを必要としている。ジャイアンツでは04年のバリー・ボンズ以来、シーズン30本塁打を打った打者はいない。また、観客動員数は30球団中17球団に落ち込んでおり、かつては毎晩球場が完売していた。大谷は今、野球界でメジャーリーグ最大の集客カードなのだ」と集客面で苦しむ球団を救うと力説。
シアトル・タイムズでマリナーズ担当のライアン・ディビッシュ記者は、「メジャーリーグの歴史上、おそらく世代で最も偉大な野球選手について話しているんだ。たとえ怪我をしていたとしても、世の中の90%の野球選手より優れている。マリナーズには打者が必要であり、ラインナップの中心で存在感を示せる選手、将来的には投手として、彼を獲得したいと望んでいる」
さらに、多くの球団が右肘の故障を抱えた大谷の獲得をためらっている中、山本由伸(25)獲得へは各球団前向き。ディビッシュ記者(マリナーズ担当)も「ヤンキース、ジャイアンツ、ドジャース、どのチームもみんな彼を欲しがっている。彼は若いからね」と争奪戦になることを予想。『The Athletic』のバッギャーリー記者は「ジャイアンツは大谷と山本と契約して、来年は山本が投げるし、再来年は2人とも投げるようにするべきだと思う。大谷と山本と契約するのはクレイジーに思えるが、ジャイアンツには資金的な柔軟性がある」と大谷と山本のW獲得の可能性も示した。
MLB今オフの最大の目玉である大谷のFA。GMミーティングは日本時間10日まで行われる。