『感覚過敏』という困難
視覚や聴覚や味覚など、自信の五感から受け取る刺激を過剰に強く感じてしまう『感覚過敏』。日常生活のあらゆる場面で困難が生じることがあります。
「音がすごく大きく聞こえたり、人に触られるとやけどのような痛みがあったり。子供の泣き声、雷、食器のぶつかる音…、本当にひどい時は自分の声もうるさくなってしまうので、喋れなくなる状態があります」
新潟県内の特別支援学校に通う女子生徒は、4年ほど前から、音や肌に触れる刺激を苦痛に感じるようになりました。
「仲の良かった子に素肌を手で触られて、すごく私は痛くて『やめてね』って強く言ったんですけど、『触っても何もないじゃん』って言われてすごく傷ついた。『分かってもらえないんだな』って…」
見た目ではわからないことが多く、周りから理解されづらい感覚の問題。
大勢の生徒と同じ教室で過ごすのが難しく、ほとんど学校に通えなかった時期もあるそうです。
「今のままだと少し生きていく生活するのが難しい状態の日もあるので、やっぱりもうちょっと感覚過敏が世に知れ渡ってもらえれば生きやすくなるかなと思う」
新潟大学大学院の長澤正樹教授は「人によってつらさの程度や苦手な刺激は異なる」と話します。
【新潟大学大学院 教育実践学研究科 長澤正樹教授】
「結構多いのが“匂い”に対する敏感さ。制汗スプレーとか香水とか柔軟剤の匂いが苦手で、その場にいることがたまらなく嫌だという人も多くいる」

さらに、感覚過敏が要因となって「睡眠障害」や「不安障害」などを引き起こすケースも少なくないといいます。