9日から始まる男子プロゴルフツアー、三井住友VISA太平洋マスターズ(9日~12日、静岡・太平洋クラブ御殿場コース、7262ヤード、パー70)。大会前日のこの日、最多タイとなる3勝を誇る石川遼(32、CASIO)がプロアマ戦に出場し、最後のコースチェックを行った。

前週はメキシコで米ツアーに出場するも予選落ち。体調不良もあったというが、この日はプロアマ戦で18ホールをラウンドするなど既に体調は万全だ。

石川にとって御殿場は思い出の舞台だ。3回の優勝は最多タイ(尾崎将司、中嶋常幸、リー・ウェストウッドに並ぶ)で、18回のツアー優勝のうち3回がこの大会と、相性は抜群。優勝当時の年齢は19歳・21歳・31歳と、各年代で大会を制しており、2011年にはホールインワンも達成した。さらに今年は大会のアンバサダーにも就任。すべて知り尽くしたこの場所で、大会連覇を狙う。

以下インタビュー全文。

「攻め切りたい」

Q.1年ぶりに帰ってきた御殿場、ラウンドしてみて
石川遼:

コースのコンディションは素晴らしい。グリーンは非常に速いので、かなり注意をしなければいけない。去年優勝して、そこからさらに365日コツコツと積み重ねてやってきているので、また違った見え方がするところもある。今年は今年のベストを尽くしたい

Q.ビッグトーナメントが続くツアー終盤のイメージは
石川:

キャリアの中で後半戦の優勝もあるし、どちらかというと後半の方がグリーンのコンディションが自分の肌に合うところもある。この試合に関しては、昨年初めてパー70になってから勝つことができたということもあり、少しずつコースのセッティングにも慣れ始めているので、今年も注意するべきところはしっかり注意して、攻め切りたい。

Q.ポイントとなるホールは
石川:

やはり6番・11番の非常にタフなパー4。なるべく怪我無く4日間通してプレー出来れば最高。それ以外にも、ラフからのセカンドショットが難しいホールがある。逆に言えば、ティーショットでフェアウェイを捉えることが出来れば、ショートアイアンでバーディーチャンスにつけられるコースがけっこうある。ティーショットの置き方、プレースメントが重要で、フェアウェイに行けば100点満点だが、ずっとそうはいかない。今週のテーマはしっかりとゲームプラン、コースマネージメントをすること。昨年はまだまだと思いながらやっていたが、その時に比べるとこの1年間で良くなっている所もある。昨年は昨年なりにベストを尽くせたし、今年は明日に向けてしっかりと準備をしていくだけ。

Q.去年の最終日を振り返って
石川:

3日間で8アンダーまでコツコツと積み重ねて来て、最終日にパープレーをしてプレーオフになったという意味では、最終日がいかにタフなコンディションだったかを物語っている。朝から風が結構吹いており、ゲームの流れを大きく変えたという印象がある。そういう意味では今週も天候が崩れる日が予想されるので、ゲームの運び方は昨年と違った形で求められる。

「憧れの地」で

Q.去年の優勝で最多タイの3回目。御殿場はどのような場所か
石川:

憧れの地であり、憧れの大会。昨年の優勝は自分の中でも大きな支えで、自分がやってきている事への後押しになった。昨年の優勝があったからよりポジティブになって、自分が取り組んでいることを前に推し進めていく原動力になった。2012年の優勝も、2年くらい勝てていないかなり苦しい流れからだった。もちろん甘い世界ではないが、2年間勝てていなかったというのは、プロになって初めての苦しいシーズンだった。それを払しょくできた優勝だったし、苦しみながらもここでいいゴルフをして勝てた。しっかりといいゴルフが出来て勝てているというのが、自分の中ではいい思い出。

Q.今回はホストプロに
石川:

正直まさかだったが、非常にありがたい話で、本当に光栄。いちプレーヤーとしての気持ちは変わらないが、去年の大会から今年にかけて、出来る限りのことがあればやりたいと話して今年の夏から契約をした。考えている事や施策を、大会の方と本当に密にコミュニケーションをとっている。すごく細かい話だと、ギャラリーの方の動線。僕が力になれるところは、プレーヤー側からの視点で気になるところだと思うので、それを話せる関係性は非常にありがたい。明日もホールアウトした後にゴルフクリニックを予定しており、自分ができる範囲内で盛り上げたい。

Q.ファンは連覇を期待している
石川:

自分が優勝できているコースに戻って来られて、自分の現在地を知ることが出来るし、ベストを尽くしていいプレーをしたい。昨年の経験からしても、上位に行けると自分の後押しになる。コースには文句の付けようが全くないので、あとは自分次第。自分次第になってくるのがモチベーションにつながるので、しっかりいい準備をしたい。

■石川遼(いしかわ・りょう)
1991年9月17日生まれ、埼玉県出身。
2007年、アマチュアの高校生ながらプロツアー初優勝。日本のプロゴルフ大会においての史上最年少優勝を果たすと、2009年には史上最年少での賞金王に輝く。日本ツアー18勝。