科学の力を活用して「儲かる農業」の仕組みつくりをしようと新潟県長岡市で6日、大学教授や農家らが集まりシンポジウムが開かれました。この中でこの夏の猛暑の影響でコメ農家が大打撃を受けていることや田んぼの微生物を生かした土づくりの取り組みなどが報告されました。

長岡技術科学大学が主催したこのシンポジウムは「コメどころ新潟地域共創による資源完全循環型バイオコミュニティ拠点」プロジェクトの一環で長岡市のアオーレ長岡で6日開かれました。
この中でプロジェクトリーダーで長岡技術科学大学の小笠原渉教授はコメの加工品製造の過程ででる「米粉」や「酒粕」は微生物の力で食用油になることや最先端技術を活用することで化学肥料を減らし、環境に優しいコメ作りが実現することなどを発表しました。

また、シンポジウムではJAえちご中越常務理事の難波英洋さんが長岡市の8月の平均気温が30.5℃と平年を4.3℃上回り、猛暑日が27日、熱帯夜が24日だったことを報告し、この影響で管内で今年収穫されたコシヒカリの1等米比率は1.2%と落ち込み、農家の収入が全体で30億7000万円減ったことなども報告されました。
難波常務理事は「田んぼが持つ土の力の解明を進めて科学的な対応策を期待したい」と述べました。

プロジェクトでは今後も科学の力を生かした「儲かる農業」の形を実現していきたいとしています。