
視覚に限定しない作品を紹介する「アートラボ」で、いま、展示されているのが「嗅覚」に焦点を当てた作品です。
部屋に入ると、ミカンの甘く、さわやかな香りに包まれます。
そして、作者の廣瀬智央(ひろせ・さとし)さんが4日に開いたワークショップは、「視覚がだまされる」体験をしようというもの。

参加者は同じ大きさの発泡ポリスチレンとレンガに、それぞれ、黒い毛糸をすき間なく巻きつけます。
出来上がったのは、見た目はそっくりでも重さがまったく違う「毛糸玉」。
学芸員 青山由貴枝さん:
「だいたい重さって目で見当つけるじゃないですか」
「レンガだから重いなとか」
松本透
「期待の重さ、っていうの? 両方違うね」
最後は「作品」の毛糸玉をばらばらに置き、見た目だけでどれが重くてどれが軽いのかを当てます。
見た目で想像する重さと、手に持った感覚のギャップに思わず歓声があがります。
ワークショップに参加した女性:
「目で見るのと持ち上げるのと全然違っててびっくりしました」
「お!っていうぐらい違ってて面白かったですね」

作者でミラノ在住の芸術家 廣瀬智央さん:
「長野県立美術館は新しい試みをしている。見るだけでなくて、あらゆる感覚を駆使して、新しい体験や考え方や見え方ができるということを実行(企画)する。なかなかそういうところは少ないんですね」