19歳の時、知人の勧めで始めた重量挙げですが、30歳手前でけがのため競技から離れました。転機は競技から離れて半世紀近くたった2016年でした。青森県ウエイトリフティング協会の会長として視察に訪れた練習場で久々にバーベルに触れると眠っていた情熱がよみがえりました。

※野呂洋さん「少しでも元気でいたいなと弘前協会の齋藤(將)会長が『やればいい運動になるからやった方がいい』と誘いを受けてやりはじめたらやみつきになった」
リンゴ卸売企業の役員として今でも繁忙期には青果市場を3時間ほど歩いていたため競技を再開することに体力面でのハードルはありませんでした。

※弘前ウエイトリフティング協会 齋藤將会長(72)「同年代の方と比べれば相当足腰が強い。何のためにやるか目的がしっかりしているから徐々に目標に近づいていく」
青森県内は金木高校や柏木農業高校で高校王者が誕生し、2人のオリンピアンを生むなど重量挙げが盛んな時期もありましたが、近年は競技を始める子どもたちが少なくなっているのが現状です。

青森県協会の会長の顔を持つ野呂さんには自分が現役を続けることで競技の魅力を届けたいという思いがあります。

※野呂洋さん「証みたいなものですね生きているね。これを契機にウエイトの人口が少なくなったから、一人でも多く競技に高校生にも中学生にもやる人間が増えればいいなと」

青森県の重量挙げ界の発展の使命も両肩に乗せ、これからもバーベルを持ち上げ続けます。
◆野呂洋(のろ・ひろし)1942年11月8日、青森県田舎館村生まれ、藤崎町育ち。19歳で競技を始め、県民体育大会などに出場。28歳で競技を退くも、2016年に復帰。14年からは青森県ウエイトリフティング協会会長として後進の育成・競技の普及に努める。165センチ、67キロ。健康の秘訣は毎朝リンゴにヨーグルトをかけて食べること。血液型はO型。