ロシアのプーチン大統領は2日、CTBT=包括的核実験禁止条約の批准を撤回する法案に署名しました。プーチン大統領の署名により法律は発効し、ロシアは事実上、CTBTを離脱することになります。

プーチン氏は先月、国内に核実験再開を求める声があるとし、アメリカがCTBTを批准していないことから「理論的には批准を撤回することは可能だ」と表明。その後、上下両院が法案を可決していました。

今後の核実験再開の可能性について、外務省高官は「アメリカが核実験を実施した場合に限られる」としていますが、ロシアとしては対立を深めるアメリカをけん制する狙いがあるとみられます。

ロシアのCTBT=包括的核実験禁止条約の批准撤回について、アメリカのブリンケン国務長官は、「誤った方向への一歩」で「深く懸念している」との声明を出しました。

ブリンケン長官は、ロシアの最近の核に関する発言を「無責任だ」と指摘し、「ウクライナに対する違法な戦争を続ける中で、核のリスクを高めようとしている」と批判しています。