31日の外国為替市場で円相場は一時、1ドル=151円を突破し、今年の最安値を更新しました。1日午前1時半ごろには151円60銭台まで円安が進行し、この1日で一気に2.5円、円安方向に進んだことになります。

アメリカで発表された経済指標が市場の予想を上回り、アメリカ経済の堅調さが確認されたことで、中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が物価高を抑え込むため、さらなる利上げに踏み切るとの観測が広がりました。

また、31日に日銀は金融政策の運用をより柔軟化することを決めましたが、市場では大きな修正ではなかったとの見方が拡大。アメリカと大規模緩和を続ける日本との金利差がさらに拡大するとの見方から、金利の高いドルで資金を運用しようと円売り・ドル買いの動きが強まりました。

一方、財務省が発表した10月分の為替介入の実績で、10月3日、150円台まで下落した直後に147円台まで円高に振れた場面でも、結局、為替介入は行われていなかったことが分かりました。

これで、150円台でも政府・日銀が為替介入に動かなかったことが分かり、これまで市場で意識されてきた大台、150円前後での介入への警戒感が緩んでいるのではという見方もあります。