災害が起きた際に重度の障害がある人を安全に避難させる訓練が、31日岩手県一関市で行われました。

避難訓練に参加したのは一関市在住で生後間もなくかかった病気の影響で重度の心身障害がある三浦りんさん(21)です。
訓練は台風の接近による大雨で避難勧告が出されたものの、停電で自宅のエレベーターが使えないとの想定で行われました。
避難勧告が出されると母親のかおるさんが三浦さんを担いで階段を降り、民生委員の手を借りながら荷物を運びました。そして車で5分ほどのところにある磐井中学校に避難し訓練は終了です。

(三浦りんさんの母 かおるさん)
「電源が必要なお子さんとか、本当に命にかかわる子たちがいるので、そういう子たちの避難計画は早急に形にしてもらわなければ。これ一区切りではなく、これをスタートにしてもらい、もっとシビアな子どもたちのことを考えてもらってあす災害が起きても大丈夫なように取り組んでもらえたら」

今回の訓練ではりんさんを車に乗り降りさせる人手の確保や雨が降っている中で体を冷やさないようにする方法の検討など課題が見つかりました。
一関市福祉課の藤倉明美課長は「地域との連携体制をどのようにつくるかが課題。きょうの気づきを生かして災害に備えたい」と話していました。