ツキノワグマによる人身事故が過去最多の件数と被害者数を更新し続けていることを受け、秋田県は27日、10月31日までとしていた「ツキノワグマ出没警報」の発令期間を、11月30日までに延長しました。

ことし秋田県内では27日現在、クマによる人身事故が50件58人発生しています。大半が集落や農地とその周辺といった人の生活圏で起きていて、農作業中や散歩中の被害が多くなっています。また鈴やラジオで音を出すなど、クマ対策を行っていないケースも多いということです。

この秋はブナをはじめとしたクマの餌が凶作で、クマが食物を広く探し歩く中で、思いがけず山から離れた住宅地にも到達してしまっていると見られています。

秋田県によりますと、県内ではこれまでカキが食べられる事例は少なかったものの、今年は例年なら手を出さないものも食べていて、クリのシーズンが終盤を迎えたことで、徐々にカキに移行している様子が既に見られています。
県は「これまでの常識にとらわれず、今一度集落内や周辺にある『クマの食べもの』を点検・除去する必要がある」としています。

クマが冬眠する12月後半まで、カキや米、米ぬか、コンポストなどに注意が必要です。