台湾の著名な映画監督・侯孝賢氏(76)は、アルツハイマー病を患い正式に引退したことが、25日台湾メディアの報道で明らかになりました。

侯孝賢氏は、終戦直後の台湾を舞台に国民党政権が反政府運動を弾圧した「2・28事件」を題材にした作品「悲情城市」で注目を集めていました。

台湾メディアが公開した候氏の家族が発表した声明によりますと、候氏はアルツハイマー病の診断を受けた後も映画制作への情熱を失うことはなかったが、新型コロナウイルスの後遺症などの影響で仕事を中断しました。

また、今は身体的にも精神的にも健康な状態で、家族との時間を大切に過ごしているとしています。

候氏は2015年第68回カンヌ国際映画祭にて、妻夫木聡さんが出演した武俠映画「黒衣の刺客」で「監督賞」を受賞。これが最後の作品となったということです。