ロシアのラブロフ外相は、イスラエルと戦闘を続けるイスラム組織ハマスを支援してきたイランを訪問し、アメリカが国際的な調停活動を「長年妨害してきた」と批判しました。

ラブロフ外相は23日、イランの首都テヘランを訪問し、イランやトルコなどの外相らと会談を行いました。

ラブロフ外相はイスラエル・パレスチナ情勢をめぐり、中東問題解決に向けた米ロやEU、国連による国際的な調停活動をアメリカが「長年にわたって事実上妨害してきた」と主張。そのうえで、アメリカの空母派遣などについて「一方的な動きは状況を悪化させるだけだ」と批判しました。

今回の会談には、アゼルバイジャンとアルメニアの外相も出席し、係争地ナゴルノカラバフをめぐる両国の和平に向けた協議も行われました。

ラブロフ氏は会談後、「紛争はほぼ解決した」と述べ、平和条約の準備などでロシアは調整役を行っているとアピールしました。

また、ラブロフ氏はイランのライシ大統領とも会談。イランとの戦略的パートナーシップに関する新たな条約締結に向け最終調整中だとしています。

ロシアとしてはイランとの関係を一層強化し、ウクライナ侵攻で対立を深める欧米への対抗で連携するとともに、中東情勢でも存在感を示す狙いがあるとみられます。