ロシア法務省は、北方領土交渉に関わり知日派としても知られるゲオルギー・クナーゼ元外務次官を、スパイを意味する「外国の代理人」に指定しました。ウクライナ侵攻を批判したことが理由とみられます。

ロシア法務省は20日、クナーゼ元外務次官について「ロシアの否定的なイメージを作り出すことを目的とした不正確な情報や、ロシア軍に関する虚偽の情報を広めた。外国メディアの媒体などでコメントしていた」などとして、「外国の代理人」に指定しました。

クナーゼ氏が独立系メディアなどで、ウクライナ侵攻をめぐりプーチン政権を批判してきたことが問題視されたとみられます。

クナーゼ氏はエリツィン政権時代に外務次官として北方領土交渉に関わり、その中で歯舞・色丹の2島返還協議と、国後・択捉の帰属協議を並行して行うという非公式な提案が日本側に対しあったとされています。

タス通信は今回、外交筋の話としてクナーゼ氏が当時、北方領土の「日本への引き渡しに向け、積極的に働きかけていた」と報じています。