女子駅伝日本一を決めるクイーンズ駅伝(11月26日・宮城県開催)の予選会であるプリンセス駅伝が10月22日、福岡県宗像市を発着点とする6区間42.195kmのコースに31チームが参加して行われる。クイーンズ駅伝復帰に強い思いを持って臨むチームがある。
京セラは前回、アンカーの6区選手がフィニッシュまで1km地点で、骨折のため途中棄権した。前回19位のシスメックスは、予選落ちの2カ月後に前監督が病気で急逝した。十八親和銀行は前回、クイーンズ駅伝出場権を得られる16位と10秒差の17位と悔しい思いをした。3チームが強い思いを持ってクイーンズ駅伝復帰に挑戦する。
京セラは今季成長株の兼友とムカリの中盤で上位進出を
昨年のプリンセス駅伝フィニッシュ1km前でアクシデントは起きた。京セラ6区の白井明衣(22)が左大腿骨を骨折し途中棄権となってしまった。若松誠監督は「自分の甘さがあったかもしれない」と責任を認めた上で、「1つ前を走っていた豊田自動織機はクイーンズ駅伝で6位。自分たちも力はついている」と前向きなとらえ方もしていた。
今季は兼友良夏(22)の成長が著しい。4月の兵庫リレーカーニバル10000mで日本人トップの3位、32分30秒56の自己新をマークした。141㎝と小柄だが(身長比で)大きなストライドが特徴で、「物怖じしないで思い切りの良い走りをする」(若松監督)。3区への起用が有力で、トップ争いに加わる走りが期待できる。
日体大から入社した新人の黒田澪(22)は5月に33分29秒58と自己記録に肉薄したが、夏の合宿中にハムストリングを負傷してしまった。本来なら5区への出場が期待できる選手だが、本格練習再開が9月中旬からということがどう影響するか。
インターナショナル区間の4区には、全日本実業団陸上10000mで自己新(31分40秒27)をマークしたアグネス・ムカリ(20)がいる。3区の兼友、4区のムカリで上位の流れに乗り、終盤は若手選手たちがどこまで粘るか。
1週間前のMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。パリ五輪代表3枠のうち2人が決定)で阿部有香里(34)が10位(2時間28分18秒)と奮闘した。MGC出場資格を持つ選手がいるチームは、その選手がプリンセス駅伝を走らなくても完走すれば、クイーンズ駅伝出場資格が得られる。「阿部が粘り強く走ったので、次は自分たちが、と若い選手たちも感じています。白井も懸命にリハビリをして、ジョグができるまで回復し、周囲の選手たちも刺激を受けています」。
途中棄権などを経験したチームは、どうしてもその部分が注目されがちだ。だが若松監督は、「今の力を100%出すことが一番のテーマ」と自分たちの走りに集中する。














