気を失うまで”ブラックアウト”をしないと1日が終わらない

 その後、山口さんは、仕事の緊張感やストレスで、睡眠障害を患います。

「あすも仕事だし早く寝たいな、でも寝られずにまた酒を飲んで、気を失うまで飲む。そういうふうにブラックアウトしないと1日が終わらないんですよね」

 1人で自宅で深酒をするようになった山口さんは、眠るために酒を利用するという飲み方に変わっていきました。

「病院で処方された精神安定剤や睡眠薬を飲んでも眠れずに、お酒で薬を流し込む日々が始まりました。ブラックアウトをしないと次の日を迎えられない」

 このころから次第に、自分の意思で酒をやめることができなくなっていったといいます。そして自分を傷つけるように酒を飲み、周囲にも迷惑をかけるようになっていきました。