JR北海道は23日、ワンマン列車の運転士に異常が発生した際に自動的に指令へ通報する装置が動作しない状態で6日間、列車を運行していたと発表しました。(写真は全てJR北海道提供)

(正常な状態の写真・JR北海道提供)発覚当時は、①のコネクタが乗務員無線機に接続され、②と③のコネクタが未接続となっていた

JR北海道によりますと、21日午前8時20分頃、JR函館線・滝川駅に到着した岩見沢7時23分発の普通列車(2両編成)の運転士から、乗務員無線機のマイク配線が本来と異なる箇所に接続されていると本社の指令に連絡がありました。

この誤った接続により、ワンマン列車の運転士が運転操作を継続できなくなった場合に、異常を自動的に指令へ通報する装置が機能しない状態となっていました。

原因は無線機を搭載する作業の際に、作業者が配線の接続を誤ったためということです。

JR北海道は緊急対策として、同形式の車両22両について22日までに一斉点検を実施し、すべて正常であることを確認しているということです。

この無線装置は、2km以上のトンネルを走行するワンマン列車に必要な装置で、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」に定められているものです。

この無線機は、16日に搭載され、その後、21日までに4本の列車で2km以上のトンネルを通過していましたが、この間、運転士に異常が発生した事象はなく、安全上問題はなかったとしています。

また、指令へ通報する装置以外の乗務員無線機は全て正常に動作していたということです。

JR北海道は「再発防止のため、作業手順の見直しと確認体制の強化を行う」としています。