大分県中津市で今年1月、40代の母親が小学1年生の娘を殺害した事件で、関係機関の対応についての検証結果は「発生を予測し防ぐことは困難だった」と結論付けられました。
この事件は今年1月、中津市で40代の母親が当時小学1年生の娘を殺害したもので、逮捕された母親は責任能力に問題があったとして4月に不起訴処分となっています。

母親は育児不安を訴えていて、中津児童相談所ではおととし8月からあわせて19回にわたり対応していたほか、犯行の1か月前にも面会していました。
有識者による県の諮問委員会は再発防止に向けて関係機関の対応を検証し、報告書をまとめました。報告では母親は犯行の1か月ほど前から精神不安の状態が急激に悪化し、殺害を防止することはかなり困難であったと結論付けています。
(県こども・家庭支援課 隅田妙子課長)「殺害というところまでは想像がつかなかった。推測がつかなかったというところで関係機関への情報提供で終わらせてしまっていた」
(県社会福祉審議会児童相談部会・松永忠部会長)「かなり困難な事例だった。ただし今後は未来に向けてこの事例を通して私たちがさらに精度を深めていくことが大事」
一方で報告書では虐待リスクの把握などに課題があるとして、児童相談所の職員の能力向上や医学的専門性の強化などを提言しています。
(県こども・家庭支援課隅田妙子課長音)「このようなことは2度とあってはいけないと考えている。課題と提言を受け止めた上で着実に実行していくということがまず再発防止につながると思っている」














