そこで真庭市は岡山理科大学と連携し、今年の8月から地域で初となる建物の調査に乗り出しました。

(岡山理科大学建築歴史文化研究センター 江面嗣人特任教授)「煤けてますでしょ。こういう風に黒く。江戸だったら江戸の煤け。明治とか大正とか大体そのくらいは分かる」

建物が建てられた年代や、たどってきた歴史などを明らかにすることで文化財としての価値を掘り起こそうというのです。

これまで6軒の民家を調査し、古いものでは江戸中期の貴重な建物が残されていたことが分かりました。

(岡山理科大学建築学科 八百板李穂准教授)「住んでいる方々は『家に価値がある』ということに気づけないと思うので、我々みたいな外から来たものが『これがいかに価値があって素晴らしいか』ということをお伝えできればなと」

この日調査したのは山藤淳子さんの住宅です。勝山に嫁いできて70年以上。時の流れとともに町は大きく姿を変えてきたといいます。

(山藤淳子さん)「残してほしいですね。でも仕方がないんじゃないでしょうか。時代には勝てない」

この調査は建物の価値を明らかにすることで、「貴重な町並みを守っていこう」という意識を住民ひとりひとりに持ってもらうことを目的としています。

(勝山振興局地域振興課 山本茂樹課長)「100年先までこの景観を残し続ける人たちが暮らす町。そういった気持ちを持つ住民が暮らす町としてあり続けてほしい」

今年度中に20棟の建物の調査を予定していて、今年の12月には住民をまじえた経過報告会が開かれるということです。