被告の男に言い渡された判決は
18日に行われた判決公判で、裁判長は
「被告は虐待そのものを楽しんでいるようにも見えた」
と述べたほか、
「誰からの助けも得られない状況で、終わりの見えない虐待にさらされ続けた被害者の絶望は察するに余りあり、精神的苦痛は計り知れない」
などとして、懲役14年の判決を言い渡しました。
最後に、裁判長は男に対して
「女児がどれほど苦しかったかを考えて、贖罪の日々を過ごしてください」と語り、男はその間、黙って前を見つめていました。
裁判員裁判 裁判員は「動画や音声による証拠は精神的にも重かった」
判決のあと、審理に参加した裁判員が会見に応じました。
裁判員は裁判を振り返り、
「虐待の様子を記録した動画の映像や被告・共犯者の姿を通して色々な感情が沸き起こった」
「動画や音声による証拠が多かった中で精神的にも重かった。思い出してもつらい場面がある」
などと心境を語りました。
また男の弁護人は
「正直もう少し重い判決の可能性もあるかと思っていた。こちらの主張が全く取り入れられなかった訳ではない」と答え、控訴については
「被告が今回の判決をどう受け止めたかを聞いて協議したい」
と話すにとどめました。
虐待通告があったにも関わらず なぜ女児を救えなかったのか
今回の虐待事件を受けて、岡山市では昨年10月、有識者らが発生の要因などを分析した検証報告書が提出されました。
報告書では警察から「墓地に裸で立たせ叱責していた」などの虐待通告があったにも関わらず、児童相談所が対応を一時保護にとどめたことに触れ、適切な判断が必ずしもできていなかったと指摘しています。
提言を受けて、岡山市の大森市長も「地域で子どもを見守る環境の整備に努めたい」と応じました。

公判で証人尋問に立った母親は、亡くなった女児が当初、男を「お父さん」と呼んでいたこともあったと証言しています。
(検察)
「女児が、男をお父さんと呼んでいたこともありましたか」
(母親)
「ありました。こども園で『お父さん』と呼んでいたので『違うよ』と訂正していました」
それからまもなく始まった虐待の数々。繰り返される身勝手な暴力のなかで、命を奪われた女児は何を思っていたのか。なぜ被告の2人は、周囲は、その声を聞き取ることができなかったのか。
母親の初公判は、岡山地裁で来年にも始まるとみられています。














