6歳になった誕生日の翌日に虐待 女児は大声で泣き叫んだ

2021年9月25日、岡山市北区にある住宅のリビング――。

前日、6歳の誕生日を迎えたこの家に住む女児は、母親の交際相手の男(40)の手によって「しつけ」と称し、椅子の上に2つ重ねたポリタンクの上に立たされていました。

しばらくすると男は、大声で泣き叫ぶ女児を和室に連れていきましたが、母親はその様子をただ見ているだけだったといいます。

そして男は、和室で女児に布団をきつく巻き付けると、上下逆さまにして、斜めに立てかけるようにして押し入れの中に閉じ込めました。

男が寝室にいた母親に
「ぐるぐるでトンと置いとる」

と伝えると、母親は
「きょう布団ぐるぐるだね」
「ああ、縦に」

などと答えたといいます。

その後、女児は低酸素脳症に 4か月後に亡くなった

ところが約40分後、様子を見に行った母親は、女児の異変に気づきます。

急きょ119番をして搬送されたものの、布団に巻きつけられたまま放置されたため、女児は窒息による低酸素脳症になっていました。

約4か月後の2022年1月12日、女児はわずか6歳で亡くなります。男と母親が逮捕されたのはその翌月のことでした。

交際相手の男 執拗に女児に繰り返していた虐待の数々

1年半以上が経った今年10月11日、岡山地裁で逮捕監禁致死罪などに問われた男(40)の裁判員裁判が始まりました。

検察の冒頭陳述で明らかになったのは、女児が死亡に至った上記の経緯だけでなく、それまでに執拗に繰り返されていた虐待行為の数々でした。

女児を押し入れに監禁し死亡させた逮捕監禁致死罪のほか、10件の強要罪や7件の暴行罪などで起訴された男は、初公判で、「すべて合っています。間違いありません」と起訴内容を認めました。