出会い系アプリで知り合った2人 男が徐々に「生活の全て」を支配

検察によると、男と母親(35)が交際を始めたのは、2019年2月だったといいます。出会い系アプリで知り合ったことがきっかけでしたが、母親には女児を含めて4人の子どもがおり、男にも妻と子どもがいました。

にもかかわらず、男は女児の母親の家に出入りするようになり、約2か月後の2019年4月ごろには、すでに4人の子どもたちに暴行を加えるようになっていたといいます。

しつけと称して、子どもたちの食事を制限したり、窓やトイレなどの扉に鍵をかけたり――。

「母親の浮気」疑いカメラ設置した交際相手の男 撮影されていた虐待の数々

この家の生活全般を支配するようになっていった男。そして、2021年1月ごろになると、母親の浮気を疑い、住宅のリビングや寝室にカメラを設置しました。しかし、このカメラがのちに虐待の様子を示すものとなりました。

検察側は、裁判にこのカメラの映像を「証拠」として提出。法廷では、映像に残されていた執拗な虐待の数々が裁判員らに公開されました。

・男が、女児に向けて包丁を振りかざし、脅す様子…
・女児の口の中に指を入れて、嘔吐させようとする様子…

公開された映像を前に、裁判員たちは一様に厳しい表情を見せました。

鍋の中に何時間も立たされた娘 助ける様子のない母親

映像にはそのほか、娘が鍋の中に何時間も立たれているにもかかわらず、娘を助ける様子がなく、虐待を黙認していた母親の姿もあったといいます。

冒頭陳述で検察側は
「犯行は非常に悪質で男が主導的な役割を担っていた」

などと指摘。

しかし、弁護側は
「母親が子どものしつけを無関係な男に丸投げした。母親の無責任さが犯行につながった」

などと主張しました。