皇室に献上された石川県ゆかりの美術工芸品が一堂に展示されています。国民文化祭の催しの一つ「皇居三の丸尚蔵館収蔵品展」が、県立美術館と国立工芸館で開かれています。
展覧会では、皇室が受け継ぐ品を収蔵する「皇居三の丸尚蔵館」から約120点が展示されていて、国立工芸館の唐澤昌宏館長が収蔵品展の見どころを説明しました。
国立工芸館・唐澤昌宏 館長
「本展をご覧いただくことで日本文化の魅力を再発見し、皇室の文化により親しんでいただければ主催者としてはこれほど嬉しい事はございません」
県立美術館との2か所での合同開催は初の試みで、県立美術館では、絵画や書を中心に49点が展示されています。
中でも国宝の「金沢本万葉集(かなざわぼんまんようしゅう)」は、加賀藩主だった前田家が1冊の本を分割して皇室に献上した品で、「料紙」と呼ばれる文様が描かれた紙には万葉集の文言が書かれています。

また、鮮やかな花鳥画で知られる伊藤若冲の代表作、国宝の「動植綵絵(どうしょくさいえ)」は、岩絵の具などを使って絹の布に花や鳥などが緻密に描かれ、会期中にあわせて8幅が展示されます。

一方、国立工芸館には、皇室に献上された飾り棚をはじめ、工芸品や刀剣などの名品67点が並びます。
収蔵品展は、作品を入れ替えながら11月26日まで開かれます。