刺身のツマなどに利用される海藻「マフノリ」の収穫量を“高圧ポンプ”を用いるアイデアで回復させている長崎県の五島市久賀島漁業集落が、ことしの全国豊かな海づくり大会で最高賞を受賞しました。

久賀島は、長崎県内有数の「マフノリ」の産地で、約60年前には6トン程が収穫されていました。しかし水温上昇に伴う食害が進み、藻場に石灰質の生物が沈着する「磯焼け」が進行ー、収穫量は最盛期の1%にまで激減しました。この対策として、久賀島漁業集落では3年前から「高圧ポンプ」で吸い上げた海水を吹き付け岩場にへばりついた生物を引きはがし、さらに「マフノリ」の胞子をまくアイデアを実践、令和3年度は395kg、令和4年度には538kgと、徐々に収穫量を回復させていることが評価されました。以前は船から岩場に降り、スコップなどを使って生物をはがし手作業で胞子を散布していましたが、高圧ポンプを使えば船上から作業できるため安全性も高く、効率も上がるため今後のさらなる収穫量回復も期待されています。