イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザでは、イスラエル軍の「大規模な攻撃を行う」との警告を受け、緊迫した情勢が続いています。JNNのカメラは100人以上の住民がハマスの戦闘員によって殺害された集落に入りました。

記者
「かなり多くの被害が出た村の近くですが、地上侵攻にむけての準備が間違いなく進められているのがわかります」

ガザ境界からおよそ5キロ離れた「ベエリ」。近くには多くの戦闘用車両が集まり、軍事侵攻の準備が着々と進められているのがわかります。

ベエリは“キブツ”と呼ばれる集落。イスラエル特有の農業共同体ですが、越境したハマスの戦闘員によって住民のおよそ10%にあたる、100人以上が殺害されました。

記者
「この辺りにはたくさんのキブツがあるんですが、その多くがこのように火を放たれ燃やされているんです」

イスラエル軍によりますと、ハマスの戦闘員は家に火を放ち、シェルターに隠れた住民が炎や煙に耐えられず出てきたところを拉致したり殺害したりしました。

冷蔵庫は溶け落ち、食パンも黒焦げに。シェルターに入ると、ベッドの下やクローゼットの中まで住民を探した形跡がありました。

イスラエル兵
「私たちはここで、8人の赤ちゃんとほかに15人の遺体が焼かれた状態でまとめられているのを発見しました」

兵士は同じような光景をほかの家でも目にしたと話します。

イスラエル兵
「(Q.身元確認に時間がかかっているのは遺体の損傷が激しいためか)その通りです。非常に高度なDNA検査をして身元の確認を行っています。遺体の損傷が激しく、極めて状態が悪いからです」

周辺ではいまだにハマスの戦闘員が現われていて、捜索は完了しておらず、被害者の数は増える可能性が高いということです。