「殺されたのは私たちだったかも」 家の避難部屋で拉致・殺害された親族

今回の衝突では、多くの民間人が犠牲になっている。
イスラエルメディアによると、ハマスは子どもを含む、多くのイスラエル人を殺害。そして、ハマスは100人以上を人質にとったとしている。

この女性のおじ、おば、いとこは、ガザ地区から2kmほどの集落に住んでいて、ハマスに拉致された。

親族が拉致された女性
「状況確認のために私はおばに電話をしました。最後におばと話したのは私だと思います。おばは、1人でセーフルーム(家庭内にある避難部屋)にいて、『彼ら(ハマス)が来てる。彼ら(ハマス)が来てる。話せない。愛してる、愛してる』と言って電話を切りました。それが最後でした」

おばのマルガリト・モゼスさんは、家の中のセーフルームに身を隠していたが、ハマスに連れ去られた。

ハマスの戦闘員が撮影したとみられる映像には、おばの姿が映っていた。

有事に備え、イスラエルの各家庭に義務づけられているセーフルーム。
そこにいたというおばは、なぜ拉致されてしまったのか。

親族が拉致された女性
「防弾になっています」

女性の父親
「でもこれはテロリストの侵入を防ぐものではない」

親族が拉致された女性
「テロリスト対策ではなく、爆撃のためのものです」

各家庭にあるセーフルームは、ロケット弾などから身を守るためのもので、地上から侵入されることは想定していない。

爆撃があった際、救助隊がすぐに助けることができるよう、通常、セーフルームには内鍵はついていないという。

ニツァン・ペレドさんとタル・ペレドさん。
彼女たちは、ガザ地区から2kmほどのクファル・アザという集落で、ハマスに家族3人の命を奪われた。

そこでは子どもを含む多くの遺体が見つかったという。

ニツァン・ペレドさん
「どうやってあの時の状況を説明したらよいのかわかりません。最悪の悪夢としか言いようがありません。テロリストの集団が自宅に入ってきて、戦時下でもないのに殺して、殺して、殺しまくったのです」

亡くなったニツァンさんの義理の両親とその息子。
彼らは殺害される直前まで家族と電話で話をしていたという。

ニツァン・ペレドさん
「ハマスはシェルター(セーフルーム)に入っていき、中にいる全員を殺したのです。その時が彼らの声を家族が聞いた、最後でした」

そして…

ニツァン・ペレドさん
「彼らが撃たれた後、静かになり、アラビア語が聞こえてきたそうです」

3人が殺された部屋は、タルさんが帰省する度に使わせてもらう部屋だった。

タル・ペレドさん
「セーフルームの中に3人の遺体がありました。私たちはいつもその部屋に滞在していたんです。私たちの部屋だったんです。私たちの荷物が置いてありました。金曜日の夜、私たちがそこに泊まっていてもおかしくありませんでした」

村瀬キャスター
「そこにいたかもしれない?」

タル・ペレドさん
(殺されたのは)私たちだったかもしれない」

ニツァンさんは、家族を奪ったハマスについてこう話した。

ニツァン・ペレドさん
「世界中の人たちに理解してほしいです。このテロ組織は、歴史上最悪の動物だということを」

イスラエルの市民の間には、ハマスへの憎しみが広がっている。

遺体の回収にあたるNGOの広報担当者は…

遺体回収などを行うNGOの広報担当者
「ハマスは赤ん坊と母親に抱き合うように告げ、2人を一度に銃殺するんです。それができないなら、部屋に押し込んで火をつけ、最後に手りゅう弾を投げ込む。確実に焼き殺すために。それが我々が目にしたことです」