75年の対立 アラブ諸国との接近がハマスの危機感強めたか

村瀬キャスター
「こちらの方向に行くとガザがありますが、このガザに通じる道の脇に、軍事車両が集積しています。 30台、40台あるでしょうか。この後行われる可能性のある軍事侵攻に向けて、着々と戦力の集積が行われています」

イスラエルとパレスチナの対立の歴史は、75年前までさかのぼる。

1948年、人口の3分の2がアラブ人だったパレスチナの地で、ユダヤ人国家「イスラエル」が建国された。

これにアラブ諸国が反発。

以来、衝突を繰り返し、パレスチナ人の自治権はヨルダン川西岸地区とガザ地区に限られるようになった。
そして今回、ガザの実権を握るハマスが大規模な攻撃を仕掛けたのだ。

防衛大学校 江﨑智絵 准教授
政治的なイスラエルに対する不満というものが非常に大きかったのではないか。ですからハマスからすると、これはもう自分たちパレスチナ人の権利・土地を守るという歴史的な大きな流れの運動の一つに位置づけられるものであろうかと思います」

さらに近年、イスラエルがアラブ諸国と接近したことがハマスの危機感を強めたという。

江﨑准教授
「おそらくハマスとしても、パレスチナ問題が放置されたままで、焦りというか、忘れられてはいけないという、パレスチナの人民と土地を守る組織からすると、現状に対する警鐘はあったのかもしれないと考えます。イスラエルの占領が続いている限り、ハマスのような組織に対する支持というのは存在するわけです」