与那国島で行われた洞窟探検ツアーで3人が行方不明になり、2人の無事が確認され、残る1人は現在も救助活動が続けられてます。ツアーガイドは調べに対し「洞窟内が急に増水して離れ離れになった」と話しているということです。
救助活動にも影響を及ぼした洞窟内の増水。なぜ急に水かさが増したのか、専門家に聞きました。

洞窟の専門家 山内平三郎さん
「私も増水に一度あったことがあるんですけど、やはり水が1メートルくらい上がってくるとね、景色が一変するんですね。それでどうしても慌てますからね。そこんところでガイドさんも苦労したというか、対応にちょっと難儀したんじゃないですかね」

国内外およそ1500の洞窟を巡った経験をもつ山内平三郎さん。今回の洞窟内の増水について、沖縄特有のにわか雨や地形が影響していたのではと指摘したうえで、沖縄と県外の洞窟の違いについて指摘します。

洞窟の専門家 山内平三郎さん
急に水かさが増すことは、県外の洞窟ではそんなにまでないが、沖縄の場合は非常に多いです雨の降り方がまず違うということと、内地の場合は川がちゃんとあるが、沖縄の場合は川の役目を洞窟がしているので、地上の水が一気に洞窟に入っちゃうんですよね。だから、増え方が大きいということですね」

県外の洞窟は3時間ほどかかり増水する一方で、30分程度で急に増水がすることが多いという沖縄の洞窟。山内さんは洞窟に入る際、身を守るために気をつけるべきことを2点あげています。それが天気と洞窟の中の痕跡です。

事前に天気予報を確認することも大事ですが、増水する洞窟というのは必ずその痕跡が残るということです。

「洞窟に水位が上がった跡があれば、逃げられる場所を考えながら入り、雨の日であれば入ること止めた方がいい」と指摘しています。

そして寒さにも注意が必要だといいます。

洞窟の専門家 山内平三郎さん
「案外、洞窟の中は沖縄といっても寒いと言う事ですよ。ピンとこない方が多いと思いますけども、普通に入ると汗かきますからね、洞窟の中で。だけど一旦濡れてしまうと結構寒いですよ、体力消耗するんですよ」

今回の事故の原因はまだ詳しく分かっていませんが、同じような事故を起こさないためにもしっかりとした検証が求められます。