山口市の住宅で内縁の妻を殺害し、遺体を1年以上放置したとされる男の裁判員裁判です。

検察側は懲役16年、弁護側は殺人と死体遺棄については無罪を主張し、審理を終えました。

殺人などの罪に問われているのは住所不定・無職の森冨晃被告(55)です。

起訴状によりますと森冨被告は2021年4月、山口市阿東地福下の住宅で内縁の妻・堀山秀子さん(当時66)の胸や首などを包丁で何度も突き刺し殺害。遺体をおよそ1年3か月放置し、その間、秀子さんの年金などを不正に受給していたとされます。

2022年7月、森冨被告が近くの交番に自首し、住宅から白骨化した遺体が見つかりました。

11日の公判で検察側は、「犯行は森冨被告が働かないことを理由に食事を用意しなくなった秀子さんを逆恨みした結果で、動機や経緯に強い非難が加えられる」として懲役16年を求刑しました。

一方、弁護側は、「被告は当時、心神喪失または心神耗弱の状態だった」として殺人と死体遺棄については無罪を主張しました。

最後に森冨被告は「身勝手な事件を起こして申し訳ない。遺族や近隣住民に心から謝りたい。生きてる価値もない人間だが、生きられるならば罪を悔いて償いたい」と述べました。

判決は10月16日に言い渡されます。