4回の再審請求という異例の展開をたどってきた大崎事件。事件をめぐるこれまでの経緯と22日の動きを振り返ります。

大崎事件では、遺体で見つかった男性の義理の姉・原口アヤ子さんら親族4人が男性を殺害し、遺体を牛小屋の堆肥の中に遺棄したとして逮捕。原口さんは捜査段階から一貫して無実を訴えましたが、懲役10年の有罪判決を受け服役しました。

(原口アヤ子さん)「本当に何もやっていないのに、こんな長く罪を着せられて」

出所後の1995年、67歳の時、鹿児島地裁に1回目の再審請求。

(1985年録音 共犯とされた男性の声テープ)
「やってないんですよ自分は。一歩も家から出なかったその晩は。刑事さんが『出た出た』と言った。出てないですけど」

弁護団は、「共犯者」とされる親族3人には知的障害があり、「自白に信用性はない」としたうえで、「殺人ではなく事故死」だと主張。そして…。

2002年、鹿児島地裁は裁判のやり直しを認める決定を出しました。
(原口アヤ子さん)「本当に良かった。安心しました」

しかし、鹿児島地検が不服を申し立てる「抗告」を行い、裁判のやり直しは高裁で取り消され、最高裁も請求を棄却。
続く2回目の再審請求では、地裁、高裁、最高裁といずれも再審を認めませんでした。

そして、2015年の3回目の再審請求では、地裁、高裁ともに「殺人ではなく事故死」などとする弁護団の主張を支持。しかし、最高裁は「死亡時期が分からず事故死とまではいえない」として請求を棄却しました。

そして、おととし申し立てた4回目の再審請求は、6月22日、地裁の判断の日を迎えました。

(弁護士)「不当決定!」

(鴨志田弁護士 支援者に電話)「棄却でした、残念ながら。考えられない…」

鹿児島地裁は、裁判のやり直しを認めませんでした。その後の弁護団の会見には、再審請求で証拠提出した映像を制作した映画監督の周防正行さんや、原口さんの長女も参加しました。

(原口アヤ子さんの長女・京子さん)
「本当に残念で悔しくてたまらない。母に伝えるのが残念でならない」

(周防正行さん)
「弁護士は真犯人を見つける仕事ではない。裁判所自らが本来あるべき姿を忘れて真犯人を欲しがっている」

(弁護団 鴨志田祐美事務局長)
「何のために裁判所が存在し、何のために無実の人を救済する唯一の手段である再審という制度が存在しているかという、根本的なところにまったく答えていない」

入院先の病院で支援者から直接報告を受けた原口さんは、厳しい表情でしきりにうなずいていたということです。

これまでに3度認められた再審開始への道は、再び遠のく結果となりました。