中国で深刻化する不動産不況。マンションを購入しても工事が中断され入居できない事態も各地で起こっていて、上海中心部では夜、購入者が集まり抗議活動を行っていました。

上海の高級タワーマンション。フェンスで囲われたままで入り口も閉ざされています。もちろん人は住んでおらず、工事が進められている様子もありません。

このマンションは30年近く前、日本人の駐在員向けに建てられたものでしたが、その後売却され、2019年、分譲マンションとして販売が始まりました。

資料によると、価格は日本円で3億円から6億円。改築後、去年引き渡される予定でしたが。

記者
「こちら、上海の中心部のマンションです。購入者が中に立ち入って抗議を行っているということです」

「区の政府は引き渡しに協力を!」

部屋は今年になっても引き渡されず、しびれを切らした購入者がマンションの中に入り、夜中にもかかわらず絶叫。政府の対応を求めました。一部中国メディアや購入者らによると、物件を販売する不動産会社から建設業者への支払いが滞り、工事はストップしているということです。

入り口にも集まった購入者に警察官は。

警察官
「突然、夜中に集まってきたけれど、正直言ってこんなやりかたで効果はありますか?」

これに、購入者は。

マンションを購入した人
「警察官では解決できないですよ。一番の方法は市長に見てもらうことです。でも現場の人は市長に報告しないので、それが最大の問題です」

中国では「恒大集団」や「碧桂園」など不動産大手の経営が悪化。先月の不動産業者上位100社の売り上げは、去年と比べ、30%近く減少しているということです。

中国経済をけん引してきたとされる不動産業界の深刻な不況が、上海の一等地でも浮き彫りになった形です。