死者が1100人を超えるなど、イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が激化するなか、イスラエル政府は8日、「戦争状態」に入ったことを正式に宣言しました。一方、アメリカは最新鋭の原子力空母を東地中海に展開すると発表しています。

イスラエルメディアによりますと、パレスチナ自治区ガザを支配するハマスの攻撃で、これまでにイスラエル側で700人以上が死亡、2100人以上が負傷しました。

一方、イスラエル軍はガザにあるハマスの拠点800か所に報復攻撃を行ったとし、ガザでは民間人を含む413人の死亡が確認されています。

戦闘が激化するなか、イスラエル政府は8日、正式に「戦争状態」に入ったことを宣言。そしてさきほど、イスラエル軍は南部ではいまも戦闘が続き、国境を越えてきたハマスの戦闘員らはおよそ1000人だと明らかにしました。

こうしたなか、アメリカではオースティン国防長官が8日、最新鋭の原子力空母ジェラルド・フォードを中核とする空母打撃群をイスラエルに近い東地中海に移動するよう指示したとする声明を発表しました。

中東地域の戦闘機部隊も増強するとしていて、アメリカやイスラエルと対立するイランが、中東情勢の混乱に乗じて地域の緊張を高めないようにする狙いがあります。

アメリカ ブリンケン国務長官
「いま行われている努力を頓挫させようと狙ったものではないでしょうか」

また、ブリンケン国務長官は今回のハマスによる攻撃について、イスラエルとサウジアラビアの国交正常化に向けた交渉を妨害する狙いがあった可能性を指摘。ハマスを支援するイランが今回の攻撃を指示した可能性については、「現時点でその証拠はない」としています。