どうして世界遺産の合掌集落に移住したのか
こちらは、富山市八尾の一軒家。8月半ばまで、田中さん家族はここに住んでいました。黒部市出身の悠介さんと結婚を機に関東から富山へ来た史織さん。

プリンセスが大好きな長女・楓子ちゃん(5)に、お茶目な次女・たねちゃん(3)。そしてまだ1歳の三女・日子(かこ)ちゃん(1)の5人家族です。

街の中心部より、山あいの中山間地で、自然を感じながら生活したいと8年前にこの古民家を借りました。
田中悠介さん:「こういう中山間地っていう場所に興味があって、空気がきれいとか、隣の家との距離がある程度あるとか」

2階建て4DK。築は80年以上です。
田中史織さん「(次の家に)クーラーついてるっていうのが楽しみで。(このおうちはエアコン)ついてないんですよ。ことしが特に暑く感じて」
世界遺産への引っ越しは3日後。移住を決めた一番の理由が―。
田中悠介さん:「学校まで遠いとか、あと、近所に遊べる子どもがいないとかそういう問題があって、あとバス停までも遠いし。相倉の場合だと、1年生の子でも例えばお兄ちゃんお姉ちゃんと一緒にバス停まで歩いていけたりとか、そういった環境が山間地の中で整っているっていうのが1番惹かれた理由です」
「いただきます!」
楓子ちゃんが来年から小学校に通うこのタイミングに合わせて、よりよい場所はないかと探していたときに、相倉集落の保存財団が行っている「世界遺産に住まんまい家プロジェクト」を知りました。

選考会に参加してみて、集落に同世代の子連れ家族が4世帯いたのも、決め手となりました。
田中史織さん:「選考会で子どもたちが楽しそうにしてたのと、いろんなポジティブな要素が多かったので、行っちゃおう!って」
長女 田中楓子ちゃん:「(集落行ってみてどうだった?)楽しい。ふうちゃん(集落の)お姉ちゃんと遊ぶ。」
田中悠介さん:「子どもたちが楽しそうにしてくれるなら、僕は頑張れます」
引っ越し当日。「せーの」

林業を営む悠介さんの仕事道具から運び出し。猛暑日の中、炎天下での作業です。友人の前田さんも急遽助っ人として駆けつけ、トラックへの積み込みに追われます。

史織さんは、大急ぎで片付け。
田中史織さん:「まだ絶賛大変中っていう(笑)」
子どもたちが保育園に行っている間に急ピッチで進めます。
田中史織さん:「いっか、もうこれで。お願いします」
一番の難関は、冷蔵庫。家具の中で最重量です。ハプニングも。
「めっちゃ(水)出てきた!」
大きな家具を中心に4時間かけて運び出し、トラックがいっぱいに。
田中悠介さん:「(結構入りましたね)そうですね、うまくいきましたね。(午前中が終わりましたが)かなり順調にいってます。あとはおろすとき心配ですけど。(トラック扉閉めて)じゃあいってきまーす!」
田中史織さん:「いってらっしゃーい!」