山梨県の中央道の笹子トンネルで天井板が崩落し、9人が亡くなった事故からまもなく11年です。
これを前に中日本高速道路が再発防止策などを遺族に説明しました。

この事故は2012年12月2日、中央道上り線の笹子トンネルで天井板が崩落し、車3台が下敷きとなり、男女合わせて9人が死亡したものです。

5日、東京・八王子市にある中日本高速道路の社員用研修施設「安全啓発館」で安全性向上に向けた取り組みについての説明会が開かれ、事故の遺族8人が出席しました。

この中で小室俊二社長は事故後に入社した社員が全体のおよそ4割にのぼっていることから、安全を最優先に自立的に行動できる人材の育成を継続的に行っていくなどと挨拶しました。

また、道路構造物の経年劣化や隠れたリスクに対応する安全対策などの取り組みを説明しました。

今年は遺族が求めていた社員との対話が初めて設けられたほか、小室社長が遺族を訪問し直接、事故の原因について説明をするなど、これまでになかった対応もみられています。

しかし、小室社長は5日、事故原因の追加の調査は行わないことを明言しました。

遺族は なぜこの事故が発生する状況になったのか、責任は誰にあるのか、などいまだに持ち続けている疑問への回答は得られていません。


事故で死亡した石川友梨さんの父親 信一さん:
原因の究明というのは問い続けているテーマですから、当時のことを細かく理解されていて知ってて、私たちに情報を言ってくれる方が社内に限らず、社外に出られた方も退職された方もいらっしゃればと思って、声を上げ続けたいと思っています。

なお、中日本高速道路は事故の原因について、これまでの調査結果を丁寧に説明していくことにしています。