ウクライナ情勢と円安の影響で、原料を輸入に頼る家畜の飼料の高騰が続いています。畜産の現場ではエサ代の高騰と新型コロナによる需要の低迷がダブルパンチとなっています。
盛岡市で畜産と稲作を営む農業法人・中村ファームの中村鉄男代表。7月から9月に購入する配合飼料の価格がどうなるのか、今、とても気がかりです。
(中村鉄男さん)
「いくらよ?って聞いたらそれはまだ言えないと」
中村さんの妻・恵美子さん。中村ファームは肥育用の黒毛和種150頭、短角牛24頭に加え、45頭の繁殖牛を飼育する農業法人で、1日2トン近い配合飼料を使用します。
(中村さんの妻・恵美子さん)
「(肥育の方が量も沢山食べる?)そうそう。だから、いちいち(スコップで)やっていたら腱鞘炎になっちゃう」
取引業者との間で3か月ごとに決められる飼料の購入価格は、この1年間ですでに1トンあたり1万円以上の値上がりとなっていて、5月のエサ代は320万円にのぼりました。
南米産トウモロコシの不作予測と原油高騰による海上運賃の上昇に加え、ウクライナ情勢による世界的な供給不安と急激な円安。様々な要因が絡み、輸入飼料の価格高騰は今後も続くことが見込まれています。
牛の飼育にはトウモロコシや油を搾った後の大豆のかすなどを配合した濃厚飼料と、乾燥させた牧草や稲わらといった粗飼料の両方を与えます。
中村ファームでは牧草と飼料用米を完全自給することでエサの価格変動の影響を少しでも抑えようと努力しています。それでも上がり続ける配合飼料の価格はボディーブローのように経営を圧迫しています。それに加えて…
(中村鉄男さん)
「肉の値段は下がりました。コロナになってからキロ単価250円くらい下がってるんで500キロだと一頭あたり12万5000円くらいの下落になっています。ダブルですね」
間もなく示される予定の7月から9月の配合飼料価格に注目しながら、国内の需要回復に望みをつなぎます。
注目の記事
強度行動障害のある28歳息子と初めて離れて暮らす決断 「自分たちが世話が出来なくなる前に」両親はパニックに対応できる施設を6年間探す...届いた「受け入れ可能」のメール

「保険が不正使用されている」記者に詐欺電話 “だまされたふり”続けるとオンラインで事情聴取 警察官姿の犯人が… 詐欺手口の全貌は

爆買いした戦闘機、その後どうなった? 膨張する“防衛費”国民生活への影響は【報道特集】

思春期中学生の10人に1人 朝起きられないのは「怠け」ではない~中高生に増える起立性調節障害~「当事者親子の声」

「骨が折れやすい難病」9歳の少年 YouTubeで出会った“憧れの先輩” 骨が折れても――始まった挑戦と、亡き母の思い

生徒4人に1人がサッカー部 全国大会常連校で起きた〝裸で土下座〟 『いじり』が遠因ないし原因 発生リスクの高い集団とは 調査報告書がまとまる 熊本









