10月3日、一時、2022年10月以来約11か月ぶりとなる1ドル=150円台まで円安が進むなど、荒れ模様の為替相場。止まらない円安の影響を取材すると”安いニッポン”の現状が見えてきました。

中国人の不動産購入が加速 3億円でも“安い”

建国記念日にあたる「国慶節」などの大型連休を迎えた中国。各地は観光客で賑わいを見せていますが、その姿は日本にも。

上海からの観光客
「中国で買うより、かなりお得。(Q.何を買った)乳液などの化粧品」

円安の影響もあり、買い物を楽しむ人たちの姿がありました。

中国からの観光客(30代)
「日本のブランドは安く買える。資生堂がすごく安くて、(中国の)半額くらい」

中国からの別の観光客(30代)
「何個もルイ・ヴィトンを買った。4~5000人民元(8~10万円)くらい安く買えた」

円安によるお買い得感から、海外の人が日本の不動産を購入する動きも広がっています。

東京・六本木のビルや赤坂ご用地が一望できる2LDKのマンション。価格は3億1500万円です。

不動産プラットフォームを展開する「神居秒算」 趙潔(ちょうけつ)代表取締役
「旅行のたびに日本の不動産をついでに見ようかなと考えるお客さんがいる。為替の影響で日本で安い買い物ができる。(Q.3億円でも安い)かなりディスカウントに見える」

円安などの影響で、中国人など海外からの見学予約は4割ほど増えているといいます。

3日夜、大台の1ドル150円台まで進んだ円安。その直後、3円近く円高方向に進んだことから、為替介入が入ったのかとの観測も出ましたが、一夜明け…

神田財務官
「為替平衡操作(介入)の有無については、コメントを差し控える」

財務官は明言を避けました。

海外に“出稼ぎ”に行く若者も 稼いだ額は3か月で120万円

終わりの見えない円安。こうした状況で、海外に出稼ぎに行く若者も出てきています。

オーストラリアに滞在する小川輝星さん(26)。今年5月からワーキングホリデーを利用して現地で働き始めました。

小川輝星さん
「7月に最低賃金がまた上がって、(時給)29豪ドル。日本円で2600円~2700円くらい」

フルーツ工場で梱包や選別作業を行っていた小川さん。給与は円安の影響も受け、日本で働いていたときのおよそ2倍になったといいます。

小川さん
「こっちはアルバイトで働いて、豪ドルで4500ドルくらい稼げたので、月40万円くらい」

小川さんが訪れたのは、現地のスーパー。

「ヨーグルト800円くらい。7.5豪ドル」

「普通の卵なんですけど、これも1500円くらい」

オーストラリアは物価が高く、節約生活を続けていますが、3か月で稼いだ金額は120万円。半分のおよそ60万円を貯蓄することができたといいます。

日本を出て、海外で働く理由を尋ねると…

小川さん
「ご年配の方が増えて来ている中で、僕たちの世代が本当に年金をもらえるのかとなってきた時に、自立する上で、不安を取り除く部分に1つお金があると思うので、貯められるなら貯めて」