低下する“円の実力” ビッグマック指数にも表れ
小川彩佳キャスター:
オーストラリアにワーキングホリデーで月40万円稼ぐという。こうした出稼ぎに行く若者というのがこれから増えていくのでしょうか。
23ジャーナリスト 片山薫 記者:
我々は安い日本というのを感じざるを得ないんですけれど、それを表す「ビッグマック指数」というものがあります。マクドナルドのビッグマックを世界でいくらで売っているかというのを示したものなんですが、これは消費者の購買力がどれだけあるかを示す指数として使われています。
例えば、アメリカだとビッグマック一つが800円ぐらいしても、消費者は買える。一方で、今、日本では450円ですけれども、350円低くないと買えないというのを示しています。これが世界で54カ国中44番目。かなり順位が下がっています。20年前は5位だったそうなので、円の弱さがこの20年で出てきてしまったなという数字です。

トラウデン直美さん:
私も先日ヨーロッパに旅行に行った際に、「あれ、すごく高い」と感じました。ランチだったら日本は1000円以内に抑えたいですけれども、その感覚で同じくらいのものを頼んで、2000円~3000円してしまって「あれっ」ていう感じはありました。
逆に言えば、外国から来る観光客の方にとって魅力はあるので、そこをチャンスと捉えるしかないですよね。

小川キャスター:
伊沢さんは円安を実感する瞬間はありますか?
株式会社 QuizKnock CEO 伊沢拓司さん:
日本国内のバーで飲んでると、結構、海外のお客さんとご一緒することがありますけど、「良いの飲んでるな」っていうことをこの1年、経験してきたので。もちろんその個人がたまたまお金持ちってこともあるかもしれないですけれども。日本国内で買うもののレベルが1段階、2段階変わってしまっている。それはやっぱり肌で感じますね。

小川キャスター:
藤森さんはニューヨークから帰ってこられて。
藤森祥平キャスター:
出稼ぎの話ですと、日本でもおなじみのラーメン店の時給が今、最低で21ドルとか22ドルからという表示があったんですね。150円換算すると、時給3000円を超えるわけです。この差って何だろうってやっぱり感じちゃいますよね。
トラウデンさん:
出稼ぎに行きたくなっちゃう気持ちはわかりますよね。
片山記者:
賃金が安いっていうのを感じます。
長引く円安時代 どう暮らす?
小川キャスター:
この円安は止められないんでしょうか。
片山記者:
「止められない」というのが答えかなと思っていて、少なくとも日本の自力で止めることは難しいかなと。
なぜ円安が起きてるのかっていう話なんですけど、今、アメリカでインフレを止めようと金利をずいぶん上げています。歴史的な水準まで上げている一方で、日本はマイナス金利をまだ残したままという。
これによって金利差が生まれるので、アメリカのドルを持っていた方が運用上、得だという考えで、日本円を売って、アメリカのドルを買うと。日本円の売りが続く限りは円安はなかなか止まらないかなと。もしかしたら来年少し和らぐっていう考え方もあるんですけれど、この金利差を埋めるほどではないので、円安がある程度は続くとみられていますね。

トラウデンさん:
でも一般市民として暮らしてる中でも、なかなか円安止まらないんじゃないっていう、何となく感じちゃっているので、世界中の投資家さんがそう感じてるんだとしたら、なかなか止まらないでしょうね。
小川キャスター:
どうやって乗り切っていきましょう、この円安。
伊沢さん:
ビッグマック指数でいくと、もちろん日本の円の弱さもありますけど、飲食店で日本は安くていいものを提供して当たり前の文化になってきているということで、余計にこのランキングが下がっちゃった面もあると思います。単純な購買力の比較ではないので。これを機に日本が世界と繋がっていっている中で、日本の安くていいものをインフレ的に求め続ける文化を、1回止めるきっかけにもしかしたらなるのかなと。
日本って新規での出店規制があまりにもなかったりするので、欧米に比べると安くていいものを提供する負のループが回り続けて、どんどん安くなっちゃってるということで、安売りを自らしちゃってるような形になってる部分もあると思うので、そういったところで外国と闘えなくなってるのであれば、もしかしたらこの円安がその考え方を改めるきっかけになるのかなと。
トラウデンさん:
賃金の話でもそうですもんね。適正な価格をどんどん上げていって賃金に反映していくっていうことで、日本全体が元気になれば円安もマシになるかもしれないっていうことですもんね。
小川キャスター:
意識を変えていくしかないという、そういったタイミングにも来てるっていうことですかね。それから賃上げの声を上げるということも必要です。














