「好き」という気持ちに正直に…活動に手ごたえ

 イベントを終えた葦原さんに、私は話を聞きに行きました。 
 この日の葦原さんは、フリルのついたギンガムチェックのブラウスに身を包み、左右に高くまとめたヘアスタイルで、よく似合っていました。自分の「好き」という気持ちに正直で、自信にみなぎる姿は、とても輝いていました。

 イベントで葦原さんは、ファンに対し「DM(ダイレクトメッセージ)くれたよね?」「イベント来てくれたよね!覚えてるよ!」などと声をかけています。
 なんと、SNSのフォロワーの名前やこれまでのイベントで会った人のことは、ほぼ記憶しているんだそう。
「基本的に、学校のクラスの人の名前とか、人の名前を覚えるのが苦手なはずなのに!」
「きっと応援してくださるのが嬉しいから、自然に覚えられるのかもしれない」と、葦原さんは笑顔で自己分析します。

 SNSのフォロワー数が増えたことで、日常生活にも変化があったといいます。
「最近、旅先では、声をかけられなかったことがないんですよ!」
「いままで車いすユーザーに、声をかけたことがなかった人が、ほとんどだと思うんですよね」
「私自身が、車いすユーザーに声をかけやすい雰囲気を作れているのなら、それは大きな変化だと思う」
 自分の活動が、健常者の前にある“ハードル”を取り払うきっかけになっているのではと、手ごたえを感じているようでした。