パートタイムで働く人の手取り収入が減少してしまういわゆる「年収の壁」。政府の新たな対策で問題は解消するのでしょうか。

「パートさんはお店の血液。なければいけない」

"名物社長"で知られる、東京・練馬区のスーパーアキダイ。

実は、首都圏にスーパー7店舗のほか、ベーカリーや焼鳥店などの3店舗を合わせて、10店舗を経営しています。

従業員の7割近くに当たる、約120人がパートで働いているといいますが、こんな悩みもあるそうで…

スーパーアキダイ 秋葉弘道社長
「繁忙期である12月に年収の壁というのがある影響で、働けなくなる人が出てくるのが現状。パートさんがいるからなんとか仕事が回っているんです。お店でいえば血液。なければいけない」

パート従業員が気にしているというのが年収が一定額を超えると手取りが減ってしまう「年収の壁」。

従業員が101人以上の企業で働く人は、年収106万円を超えると配偶者の扶養から外れ、社会保険料などを支払うことになります。

そのため年収125万円までは手取りが減ってしまい、いわば"働き損"の状態に。

こうした問題を解消するために、岸田総理はきょうの閣議で、対策のとりまとめを閣僚に指示。

年収106万円を超え、新たに生じた社会保険料を、手当で穴埋めするなどした事業者に対し、労働者1人当たり最大50万円の支援を来月から実施するとしています。

この対策にアキダイの秋葉社長は…

スーパーアキダイ 秋葉弘道社長
「これは非常にいいですね。人手不足っていうのは蔓延してずっと悩んでること」

パート従業員
「家族がいる身としては、すごくありがたい話だなって思いますね。将来のこととかも考えて稼ぎたいなと思うところがあったので」
「(年収の壁を)気にしないで働けるようになれば1番いいのかなって思います」

ただ、政府は2025年にも社会保険の改正見直しを検討していてこの措置は“期間限定”になるかもしれません。

スーパーアキダイ 秋葉弘道社長
「2年の猶予。裏を返せば2年後には今度また、その人は働けなくなる。ずっと継続してほしいなと思いますね」