一方、当時2歳だった峻くんはほとんど記憶がないと言いますが…
熊谷峻さん「当時、2歳だったために地域に貢献できなかったので、このようなかたちで地域に貢献できたらいいなと思って始めた」

峻さんが通っている気仙沼市の階上中学校では防災教育を実施。震災に関する講話や校外学習などを通して日々防災について学んでいます。さらに家族に当時の話を聞くなどして記憶を上書きし、語り部活動につなげています。
熊谷峻さん「ご年配の方だと、小さい子たちとかには伝わりにくいところも多少あると思うので、自分が中学2年ということで、同世代の方々に分かりやすく伝えていけたらいいなと思う」
また、こうした同世代の活躍を見て、語り部を始めた若者もいます。

岩槻佳桜さん「私も震災後、仮設にいた友達の家に行ったことがあるが、狭いので収納も縦に積み上げるしかなくて、これで地震がきたら危ないよと思いながらもそうするしかない」
中学時代から語り部を続けている気仙沼高校2年の岩槻佳桜さん(17)です。
岩槻さん「同年代の語り部を聞いてこんなにできるのと思って、じゃあ私もできるかなやってみたいと思って『違う中学校だがやらせてもらえませんか?』と直接館長さんにお願いしに行った」
若者たちの間で広がりを見せる「伝承の輪」。一方で課題もあるといいます。
福岡さん「自分たちが経験していないのに、うまく伝えられるのかなと思っている子たちもいるので、そういう子たちをどういう風に語り部に引き込むか。子どもたちの育成を、子どもたちから子どもたちに伝えていけるようにやっていきたい」

来年、中学に入学するのは、当時0歳の世代。震災を知らない子どもたちが増える中で、「若者から若者へ」語り継いでいくことも今後、大切なのかもしれません。